大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)398 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は全部被告人の負担とする。

理 由

被告人の上告趣意について。

論旨は被告人は酒を密造するために掘立小屋を建てたと誤認され、酒の密造に使

用しなかつた道具までも使用したものとして押収されその結果裁判所は本件犯行を

計画的のものと誤解して過重の刑を科したのであつて被告人の承服しえないところ

であるというのである。かかる論旨は明らかに刑訴四〇五条に定める上告の理由た

る事由にあたらないし、また、同四一一条を適用すべきものとも認められない。

弁護人日佐戸輝一の上告趣意について。

論旨は本件の量刑には本件酒の密造の動機、その設備の規模、密造酒及び押収さ

れた原料、器具の数量利得の多寡等を斟酌考量されるべきである旨の控訴趣意に対

し原審は記録を調べ諸般の情況を考慮するも第一審の量刑は不当にあらずとして漫

然控訴棄却の判決をしているが、かかる判決は被告人の罪責以上に不当の科刑をし

たものであつて憲法一三条に違反する結果を来しておるものと信ずるというのであ

る。しかしかかる事実審たる原審の裁量権の範囲内の量刑を過重なりとする理由だ

けでは原判決を憲法一三条に違反するものといいえないことは当裁判所の判例(昭

和二二年(れ)第二〇一号、同二三年三月二四日大法廷判決)の趣旨とするところ

である。論旨はそれ故理由はないし、また、刑訴四一一条を適用すべきものとも認

められない。

よつて刑訴四〇八条、一八一条一項に従い裁判官全員一致の意見で主文のとおり

判決する。

昭和二五年七月一三日

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最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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